フライ教室4回目

うちのフライロッドはTIEMCOEuflex Infante(ユーフレックス インファンテ) 804-6。6本継ぎの4番竿で仕舞寸がなかなかに小さくなる。
これはこれでいいのだけど、実際渓流釣場の中を移動してみると、ここは1度竿をしまってからでないと怖くて動けませんな、と身の危険を感じることが何回かあった。
せめてテンカラ竿みたいに振出しだったらいいのに…

と思ってたらアクアビットという会社からこんなのが…
ふむふむ。
7フィート3番の振出フライロッド。格納時27cm。すごいな…
「all in one Tele-Stick」ですか。
そろそろ再販開始みたいだし、これは買うしかないのか…うーん…

深夜残業の後の午前3時半起き。
夢と現実の狭間でうなされているワシです。

さてフライ始めてからそろそろ半年。この間、実釣3日(フライ教室×3)と公園の芝生でのキャス連が数回。これは明らかに練習足りてまへんな、ってことで4回目のフライ教室を受講しにTTCへ。

例のごとく東京発の中央線始発電車に乗り込み、乗継ぎを経て奥多摩駅に到着したのは午前7時20分前後。眠いや…

道路挟んで向こう側のバスは別方面行きなので間違えんように。

駅舎脇のバス停からバスに乗り…

「大沢」バス停下車(午前7時45分)。

徒歩30秒で到着。
天気は晴れに近い曇天模様。昨夜この辺りは雨が降ったらしく道が濡れていた。

3月後半ってことで肌寒さはほぼなくなった。

今日の受講生はワシとSさん。Sさんはワシ以上に遠距離通学なので午前8時の講習開始時刻にはとてもでないが間に合わない。ただ今日は受講生2人だけなので、Sさん到着するまでのんびりメインストリームで実釣してましょうってことになった。
まだ誰も入ってないようだし、これはチャンス!
急いで仕掛けを用意しようとしたが、家を出る時慌てていたのが原因か、仕掛け巻きやら帽子やら、いろいろと忘れてきたことに気付く。

しまった、朝起きてから釣行準備などするもんではないな…

落ち込んでいてもしかたないのでハリスを切り直す。とりあえず毛鉤ケースを忘れなくてよかった。
さすがにそこ忘れるとリカバリしんどいですからな。

ワシは毛鉤ケースの中から、この間ツイスター使って巻いたばかりのドライ毛鉤、ツイスター1号を取るとそれをハリスに結び付け、岩の隙間から大淵めがけてキャスティングを開始する。
も、あいかわらずここはスレきってるので、早めに見切りをつけ、萬鱗小橋(ばんりんこばし)のほうへ降りて行く。

てくてくてく…っと。川まで近づいた処で慌ててしゃがみこむ。
いかんいかん。
「不用意に近づかないように」と宮崎先生から出掛けに声をかけてもらったばかりなのに。ここは少し考えんといかん。

今日の萬鱗小橋脇の対岸はめったやたらと魚影濃く、楽しそうに表層近くを泳いでるところみるとガードも明らかに緩い。ライズとか出とるし…
なんとかあそこを狙いたい。がしかし…
魚影を眺めながら考える。

ここで橋を渡って近づいてはミスミスチャンスを逃してしまうのだよな。
できれば静かにかっさらいたいんですよ、ここは。
最近欲が出てきたワシ。

萬鱗小橋にかかった梯子のとこ。あそこからなら魚群も近く、メンディングも要らないので、そこから対岸の反転流に向けて毛鉤を入れる。
1、2、3…
…5、6を数えたとこで水面を魚がパシャッと跳ね、毛鉤を奪う。

かかった!

竿を立てるとクククッと魚が引っ張る。
昨年の秋以来久々のドライでのやったった感!

手前側の岸に魚を寄せて本日1尾目を無事釣り上げた。

いいですな、ドライ。パクッといく瞬間が見えるのが実にイイ!
しばし自己満足に浸っていると、Sさんが到着したらしく、宮崎先生がワシを呼ぶ声が聞こえたので管理棟へと戻る。

本日の講義は渓流釣り用語を確認しながらTTC内の実際のポイントをテレビモニタで確認していくビデオ講義。
まずはモニタに映し出された落ち込みのところの写真を先生と一緒に検証する。

水流が落ち込みに入る手前の部分を「肩」といい、落ち込みめがけて水(&餌)が集まってくるので必然的にそれを狙う魚がつきやすく、一級ポイントとなるらしい。
水が落ちた付近は白泡がたつ。水温が高い夏にはこの直下も狙う。そしてその白泡のおさまる辺り、広く開けてくるところがヒラキ。瀬のヒラキ、落ち込みのヒラキには魚がつく。毛鉤を流したのであれば、このヒラキのところであえて毛鉤を止めたり動かしたりして誘うのも手という。
続いて深瀬の写真。
ここも肩とヒラキ、反転流の袖のところなどに狙い目アリ。
ハリスにある程度たるみがあったほうが魚が毛鉤を離しにくい。キャストの後竿先を下げると、簡単にたるみを出せる。
ふむふむ。
上流のチャラ瀬の写真。
上流に向かって右側を左岸、左側を右岸と呼ぶ。
下流から上流へと釣りあがるので、キャストも下流から上流へ向けるのが基本だが、上流にたどり着いたらそこから下流に向けてもキャストしてみる。
遡行していくうえで、上流に人がいたらそれを追い越すのはマナー違反。後々モメないよう声を掛け合うことが大切だと。

話は水棲昆虫のほうに移る。
カワゲラ(ストーンフライ)、トビケラカディス)、カゲロウ(メイフライ)…
それぞれ生態がことなる。
ヒラタカゲロウ、マダラカゲロウは水面で羽化するのに対し、フタバカゲロウやミドリカゲロウは陸上羽化するタイプ。モンカゲロウは砂地に生息していたりするので、よく観察してみると面白いそうだ。

宮崎先生のバンブーロッドとフタバカゲロウ。

ワシが先日巻いて今日使っている毛鉤。ツイスター1号。

このツイスター1号、ピーコックハールに茶色のハックルを巻きつけたのは「コーチマン」に近いという。
(後で調べてみたがコーチマンのほうがウィングもテールもついてたりして格好良かったりする(汗))
非常に標準的な毛鉤で、良く言えばオールマイティ。悪く言うと特徴がない。いわば「サラリーマンのスーツ」のような毛鉤だそうだ(笑)。
ただここから進化させると「ロイヤルコーチマン」という由緒正しき西洋毛鉤になる可能性もあるらしく、それはそれで期待が膨らむ。

ということで、続いては外のポンドに移動し、Sさんとワシ、生徒2人のキャスティングを確認して頂く。

キャスティングの準備をする宮崎先生。

バックキャストの時、待ちが長すぎると竿の曲りが戻ってしまい、竿の弾力がうまく伝わらないらしい。
出てるラインの長さによってもタイミングが変わってきてしまうので、とりあえず後ろへの竿の曲り具合を見ながら注意してキャストする。
フォワード時は多少スナップを利かせるようにすると動くのが手首の部分だけになるのでコントロールがつきやすいそうだ(その場合竿尻を腕に食い込ませるようにしてフォワードしすぎになるのをブロックする)。またスナップした分は直線でなく円を描くことになるので、直線だけのキャストに比べて糸も絡みにくくなるとのこと。

おかげさまで初回の教室の頃と比べると自分でもわかるぐらいコントロールがつくようになってきた。
ラインを持つほうの手はまだまだ道半ばですが…

キャスティングが落ち着いてきたところで、今度は川へ降りて実釣講習。
萬鱗小橋を渡ったぶっつけのところ。瀬脇から釣り上がり、落ち込みの肩、ヒラキへと先生がテンポ良く入れていくのを生徒2人で観察する。
なによりストーキング。手前からキャスト。第1投が大事(よく考えてキャストする)。といったあたりはテンカラ、フライに関係なく渓流釣りに共通するものですな。

萬鱗小橋の裏の処まで釣り上がったところで解散、昼食までの1時間自由実釣時間となったので、そのまま橋の裏にはりつき1匹釣り上げたが、その後は2連続でバレてしまった。

昼食中に聞いたのだが、竿を立てすぎると魚との間をつなぐ糸に遊びの部分がなくなってバレやすくなるらしい。竿を斜め前方に保つと竿の先端が曲がるのでショックを吸収してくれるそうだ。
なるほど! なぜ今まで気づかなんだか…

午後になり再び魚がかかったところで早速試してみたところ、確かにバレない。
これはいい!と思ったが…今度は寄らない。
竿もラインも斜め前方を保ったままなのでラインを手繰り寄せられない。
硬直するとくじろう。どうしよう…
しかたないので竿を斜めに保ったまま3〜4mほど後ずさると虹鱒がそのままひきずられるように岸に打ち上げられた。

確かにバレずに釣れたが…
なんか先生のとは違うな…

そうだ。寄せる時はラインを引っ張るのだった…

なかなか一筋縄ではいかない中、結局15時過ぎまでの間に釣り上げたのは計5尾。他2バレ2根がかり。
ところが、しかし。ツイスターで巻いた毛鉤、ツイスター1号はその過酷な状況をかいくぐり、毛鉤交換もロストもすることなく、なんと最後まで持ちこたえてしまった。

毛鉤に感謝。帰ったらピーコックのほつれを修繕してやらねば。

帰りの車の中、K隊長に沢靴のことを教えて頂きながら家路につく。

(K隊長自動車のほうありがとうございました)