私を美渓に連れてって

恋人がサンタクロース。そんな甘酸っぱい青春時代とは無縁だったスキー嫌いのワシんとんです。

さて禁漁まで残り時間もわずかとなった今日この頃。
先週TTCでの談笑中、美人沢なる沢の話が出て、秋山郷のUさんが月末までに入渓を画策中であることを知った。
通称美人沢。なんでもUさんが人間岩魚のいさおさんと入渓した際、その山肌のあまりの若々しさにUさん思わずうなって呼んでみたのがそのまま通り名になってしまったとか。
これはこれは。
美観に目がないとくじろう。
もう絶対入ってみるしかないとその場で願い出、そのまま本日ご一緒することになった。

早速つづら折ってみる。1折り、2折り…
うーん。きもちわり。ゲロりたいッス。あいかわらずのダメさ加減。
もうダメ…Uさんおいていかないで。

途中小さな桟道橋を渡した部分が3ヶ所。昨年までボロボロだったのが新しく架けかわったらしい。
ボロボロでなくても結構怖いんだが、昨年までのだったらどうなってたんだろう…

疲労困憊。くたくたになりながらもなんとか1時間程で入渓点へ。

早速実釣開始。ラインを繰り出す秋山郷Uさん。
先週末の台風の影響か流木が引っかかっている所が多く、なかなかやりづらそう。

ワシも息を整えると沈んだ倒木のある淵を狙う。いきなり毛鉤ロストしてしまいそうな嫌らしさがあるが仕方ない。

忍び寄りスッと毛鉤を投げ入れたが、いきなり白泡の中で毛鉤の行方を見失う。もう少し手前を狙ったのだが白泡にぶち当たるところがなんともワシらしい。
倒木の近辺に入った感触はあるが、竿を引っ張っても毛鉤が外れないので、これは根掛かりのよう。
しかたなくラインを手に取り、綱引きのように手元へ手繰り寄せ…

と水面を覗くと、なぜかハリスの先に魚がっ!
春先の初岩魚といい、もう毛鉤の神様が魚に毛鉤を無理やりひっかけてくれているような無理矢理な展開の中、このワシ、人生初ヤマメを獲得致しました。
いいではないか、いいではないか! これは50cmはあるぞ!(Uさんの失笑をかう)

普段やり慣れていないのか、いいえそもそも釣り慣れていないのか、いざタモ持ったまま魚を撮ろうとして悪戦苦闘。
マクロレンズに換えようと思い立ったが、魚を釣って片手が塞がった状態だと何もできないことに今さらながら気づいた。嗚呼…
ちょうど明日、毛鉤研究会で魚の撮り方のレクチャー講義があるのだが…
結局ヤマメ殿には15分程つきあい願い、初ヤマメ撮影会を完了。とくじろうとしては横綱相手に金星を挙げ、もう今日の任務は完遂したったど状態。

ほんのりと恍惚のさなか、秋山郷Uさんと一緒に奥を目指す。

さすがに美人沢と呼ばれるだけあって清楚に苔むした感じがじつによい。

遡行途中まだ真新しい先行者の足跡を発見。2尾ほど魚の影も確認したが、それ以外はさっぱり。
一息つこうということになり、コーヒーをごちになる。
「この穏やかな沢の感じが実によくてね」と語る秋山郷Uさん。


惜しむらくは訪れたのが台風一過直後であったこと。倒木、流木の数がハンパなく
「これは一回掃除してやらんとダメかもな」と残念そう。

もうフォレストレンジャーですな。

尾根筋まで戻ると、いい風が吹き抜けていた。しばし2人で語り合う。
釣果は各々1尾ずつなのだが、なんだろう、この十分すぎる至福感。この沢がそうさせるのだろうか…

で戻ったTTC。こ、これは…
まだまだ水量はんぱねぇ。さすがに今日は無理じゃね? 内心わかってはいたがチケット購入。

予想通り惨敗も美渓でヤマメ獲得で残り54尾。