敗退

ここのところ連日、ワールドカップを観戦しながらの仕掛け巻きの開発が続く。
「景品には毛鉤箱」といった手前、なんとかこの仕掛け巻きの中に毛鉤収納スペースをねじこまねばなるまい。
直観的に頭に浮かんだのは、仕掛け巻きをくり抜いて蓋をとりつけることだったのだが、ただそうなるとヒンジも必要だし、蓋側にもそれなりの厚みがないと…
うーん、うーんとうなされながら幾晩か過ごしておると、ある日、夢の中で1つアイデアが思い浮かぶ。
疲れたり追い込まれてくると、人間就寝している間でさえ頭を働かせはじめ、なにがしかのひらめきによって困難を解決しようとする(ワシこの夢の中でひらめく瞬間が大好きである)。

五里霧中、あの日の夢の中、ワシの眼前に現れたのは、ざっくりと上下2つに割られた仕掛け巻き。で下半分を交換できるように設計されたなかなか手の込んだものであった。
ガバッと飛び起きたワシは、それをメモにとり、翌朝連結部分に磁石を用いることにしてモデルに手を入れてみた。

結局のとこ下半分に仕掛け巻きをもう1つ重ねるか、あるいは毛鉤スペースでいくかは、釣行当日の気分次第になるかもしれんし、合体コンボ方式でフージョン選択できるのもそんなに悪くはないだろう。
(とりあえず初回は下部仕掛巻きモデルのみ)

モデリングのほうがようやく落ち着いていたので次は切削。
いきなり本番切削に突入するのは少々ヤンチャすぎと思われるので、つなぎ用の直径4mmのダミー円柱パーツをこさえてみることにする。パーツをモデリングすると、切削パス作成ソフトウェアに渡す。するとGコードが山のように出力されるので、今度はそのGコードを切削機械に読み込ませ作動させる。
ウィーンウィーン音を響かせながら板材を切り始める機械。
しばらくは順調に動作していたが、5分程したところで急にパソコンの電源が切れ、切削が停止する。

し、しもうた! パソコンの節電スリープ設定切ってなかった…
画面には通信エラー。ここから切削継続できるのか?

節電設定を変更して再び切削を再開した途端、今度はスピンドルの回転開始指示を忘れたままエンドミルが高速移動。エンドミルたまらずポキッと逝く。
見事にやられました。油断したっ! Gコード途中から動かす時は要注意!

エンドミルを交換して、切削パスのトレースも最初からやりなおし。
いけるか?

いいんでないか?

しかし…
今度は切削時間ながすぎ…

ま、いいか。迷っとる時間ないし。
本番パーツは厚さ3mmの円柱2枚(トップとボトム)、と厚さ4mmの円柱(内部)2枚の計4枚を重ね合わせた構成。
トップとボトムは表裏2面の切削が必要なので、計6回の切削が必要になる。
1面に対して荒切削に4時間、Z軸仕上げに3時間、計7時間×6回切削×仕掛巻き2個=84時間!
尋常でない! なさすぎ!
まだ試作品すら削り終わらんし!

散った。とくじろう完全に散った。
心境的にはコロンビア戦の後半3点目を失った時のような感じ。

今月末の納期、もう少しのばしてもらおぅ…

ようやく1面削れてきたので

バリをとってみたの図