メンテナンスに旅立った

フライス盤のほう、ここ最近Y軸移動時に異音を放つようになってきた。
機械をよくみてみるとX軸の手動コントローラもいつの間にやら落ちてしまっていたりしたので、一度メンテナンスへと出すことにする。
といってもなにしろ重量30kgを優に超える代物。いったいどうしますか?と販売元へ確認したところ「ヤマトホームコンビニエンス」というのを使い、家まで引き取りに来てもらってくれとのこと。
最近の宅急便は便利になっとるもんですな。
「早く戻ってな〜」と機械を送り出し、なんとか落ち着いたところで現在の課題を振り返る。

実際仕掛巻の切削で一際苦労を強いられたのは、容赦なく折れるエンドミルと、Z軸(高さ)に対しての切削精度である。
エンドミルの平均単価2500円。フライス盤をいじり始めてからここまでにもう軽く10本は折れている。
長い切削の後、スピンドルの回転音が止まったところで作業部屋のドアを開けるのだが、ここで木板に突き刺さったままバキッっているエンドミルを見るたび、ワシの心も懐も粉々に砕け散りそうになる。
ー殺してやりたい、こんな危険極まりないものをデザインしてしまった愚かなワシをー
「もう細いパスものは決してデザインすまい」固く心にそう誓うワシであった。
ここは切削時間をケチらず、じっくり(現在直径1mmのエンドミルに対して1回に彫る深さが深すぎる(最大3mmにもなっている))いくしかない。

も一つの切削精度のほう。この仕掛け巻きは、4枚の木板、それを各々に対して裏表両面から計8回削り出し、それを張り合わせて完成させるため、ここの精度がいい加減だと、やたら分厚くもっさりしたのになってしまったり、はたまた穴の深さが浅すぎて磁石がはみ出てしまったりと、かなり不細工な感じになってしまう。

XY両軸に対してはかなり正確にできているので、残りのZ軸に対しても誤差を出さずに正確に切り出すことが可能になれば、もう1ランク上のものが作れるに違いない。
ここが解決すると金属(磁石)部分を全部木の中に埋め隠してしまえるようになる。と、木固めエースのコーティングもより一層効果を発揮できそうな感じがする。
原点合わせとクランプの固定のしかたにもう少し知識と経験、工夫が必要なんではないかと思う。

塗りのほうは木固めエースでの練習が続いている。塗って乾いたらテカッた分をひたすら削り落とすの繰り返し。2回では足りないか?
さらにシャム柿より欅のほうが圧倒的に導管が深い。欅のほうは目止めなしでは無理ではないかと思う。
塗った後しっかり削らないと塗り重ねるたびに色が濃くなり、最後は真っ黒になってしまう。
木目を活かすには木固めエースは木質強化、目止めは導管埋め、とはっきりわりきり、残りは全部削り出し、出た削りカスもしっかり落とす。
最後の仕上げには木固めエースの仕上クリヤーというのを塗ったら、なんだか想像していた以上にテカテカでケバい感じになってしまったので、1度削り、アサヒペンの「ジェルカラーニス」というのを布につけ、木面にすりこんだところかなり良くなった。
丁寧にやればこれはいけるかも。

目の前に立ちはだかった「そりたつ壁」。

新たなステージを目指し

親子共々

日々闘っている次第であります。