テンカラ教室4回目

先月のクリスマス前の研究会以来、久し振りの釣り。4回目のテンカラ教室を受講しにまたまたTTCへ。
吉田先生と毛鉤会Uさんが既に到着されていたので、ストーブの前で温まりながら雑談に加わる。
今日の受講生は6人(きょ→じさんとワシは明日と連戦である)。ではあるけど皆リピーターなので、座学講習はなし。
話が落ち着くとキャスト練習もすっとばし、残雪のメインストリームで先生マイク片手にいきなり実釣基礎総まとめデモをザザーッと開始である。

先生、橋手前、瀬向こう、落ち込みの間辺りに毛鉤を流した後、食い波に入れアタリを確認。
それを見ている受講生の1人甘いコーヒーさんは、手馴れた様子でカメラを駆使しデモ講義の様子を撮影。(↓甘いコーヒーさん撮影)

撮影対象の先生は毛鉤を流す際の竿やラインの角度についても実際やってみせながら、ハンドマイクで説明をする。

陽のあたる水面は、釣りせずのんびり眺めているだけでも気持ちいい。

デモのほうはゆっくりと上流部へ移動。今度は誘い方の解説。
上流への誘いと違い、下流へのソレは竿先を下げ、ラインへの抵抗を増やす。ふむふむ。

10時くらいにはデモも終わり、それぞれがちらばっていよいよ実釣開始となる。
が、瀬向こう、淵、最上流の誘い。順繰りに流してみても、時合いが悪いのか、茶色がダメなのか、よくわからんが何故かBHに全く反応なし。家で巻いてきた毛鉤「ブンブン」も駄目。
岬は怖くてあがれないし。いったい何があったのか?

しかたないのでいったん管理棟に戻ると、なにやら皆で毛鉤巻きをしている。Uさんが白いトレース紙のようなものをやっとこさ切り抜いた羽根を、横浜Nさんがライターで燃やしている。いったい何事かとよくよく確認すると、羽根の周りをスルーウィングバーナーというピンセットみたいなので覆い、火にかけながら、はみ出た分を熱で溶かして固めているんである。
ーなるほど。羽根はこうやって作るわけですかー
Nさん研究熱心なのだなぁ。
作った羽根はぶしょうづけと同じやり方で1度縛り、その縛った糸に対してスレッドでフックに巻きつけていく。
ワシ、羽根の部分はてっきり死んだ蝉のもんでもとっておいて、それを転用するのかと…
でも実際そうなってしまうとそれは疑似餌なのか本餌なのかなんなのか。
ひとまずワシも羽根をつけてみたくなり、最近完成したばかりの木製バイスケースからバイスを取り出そうとするのだが、どういうわけかサイズがキツキツでこれがなかなか取りだせない。
で、いざどうにか取り出しても今度はフックを固定するナットが硬くて回転しないと受難続き…(前夜ケースにしまう時にナットがずれたまま収まってしまったらしい)
結局スタッフEさんにペンチをお借りし15分近くてこずってようやくセッティング完了。
ふぅ。大会日に同じことが発生したら、1発ビリ確定である。コワコワ…

このバイスケース、実はまだいろいろな悩みを抱えているのだが、甘いコーヒーさんや代表がいろいろな解決策を提示してくれる。
折を見て、マテリアルも含めたバイスケースケースも作成したいと思う。

さて、頂いた羽根を使って、先生の蜂を模した毛鉤のレシピを教わる。
一番の特徴は鯉釣り用のダンベルタイプのヘアストップというのを昆虫の眼にみたてて使うことで蜂の頭を形作ることと、両目の微妙な浮き具合で平行性を保てるので水中での安定姿勢が確保しやすいことである。
なるほど! フックが常に水面を向くのだからこれは明らかにかかりが良さそうだ。試してみたい!

実は最近、毛鉤のその辺りが気になってしかたがない。
ぶっとくほっこりしたペレットな感じを出しつつも毛鉤のふところを保つために、試しに軸の背中片側(ふところの反対側)にだけウェイトなりフライフォームをつけて巻いてみる。針の中心がずれるのでダビング材も太く巻けるが同時に重心もずれるので、水に沈めると水中では軸が斜めになって沈んでいく。
パラシュートみたいに背中側に浮力のあるものを入れると針先が底面を向く。逆に背中側にウェイトをつけるとラッコのようにふところが上を向く。
魚はたいがい背びれを上にして泳いでいる。腹這いになって泳ぐのは暴れまわってるような時以外、あまり見たことがない。
ということは、ラッコ向きにゆっくりと沈めたら、全部魚の上あごにかかるんじゃないか?
逆にパラシュートのように沈めたら、全部下あごにかかるんじゃないか?

という日々のモヤモヤ、素人考えを一度現場で試してみたい!

…とは思うものの実際のワシの釣りでは8割方毛鉤が飲みこまれております Orz...

…てか、そもそもそんなに釣れとらんだろ、おまえさんは。

でそのほっこりとした対象。

頂いた羽根で完成した新型ブンブン。

なんといいますか…
いくらなんでもこれは蜂じゃねぇだろうよっ! まんまひじきじゃねぇか!
ひとえに荒い… 荒すぎる…
お前は今日何を学んだのか。いったい何を聞いていたのか。
ツートン感すら出せない自分につくづく才能の無さを感じます…

ついでにCDCの巻き方も見つつ、甘いコーヒーさんのフックコレクションの中から幾つかを分けて頂いていると、あっという間に昼食時刻となった。

昼食後、まだ1匹も釣果の無いことに気づいたワシ。
メインストリームに降りて2時、2時半、3時…

ひたすら毛鉤を放り込んだが、アタリすらなく、若干アセリを感じていると
「とくさん」
と背後から声をかけて頂く。教室に参加されたリピーターの方だ。
「そろそろ帰るけど、あそこの瀬の向こう、ワシ5連チャンしたよ。今活性高いからあそこ狙ってみて」

ポンドの所で釣果がないのを話したところ、気にかけて頂いてたらしい。
奥多摩の瀬、武士道みたりー

この釣り場は全体的にこういう雰囲気があって実にいいですなぁ。

早速薦められた橋の脇をBHで流すと1匹上がる。
再びキャストするとさらにもう1匹。
これで精神的に楽になった。

4時もまわったので寒いしそろそろ上がろうかと管理棟に戻ると、甘いコーヒーさんと、Nさん、代表、スタッフEさんで写真談義に花咲かせ中。
RAWで撮ることの重要性や、対象への光のあてかた、コンパクトレフ板等、非常にそそられる話が聞けた。

帰り。ダンベルタイプの目のパーツやらピンセットやらウィングバーナーやら、今日知ったものを買いに渋谷の上州屋に寄ると、なんとNさんと遭遇。
皆考えることは同じですね、と笑いあう。

家に戻り早速ブンブンを巻きなおす。
目も2つになり縞も悪くない。ブンブンぽいぞ。

ウィングバーナーで使う白い羽根の素材を買い忘れたから、今日は代わりにハックル巻きましょう、といざ着けてみると…

出来上がったのは栄養失調で死にかけのアブラゼミ。かわいそすぎる見た目に何か食べさせてやりたい…

残89匹。