コブタカ山ノボレ

「山に登ってみるなんて考えるんじゃなかった筋肉痛地獄の日々@とくじろう」です。

さて今回は新しく買ったレンズ。コイツを試してみたいがため、今日は早朝から奥多摩ミニトレッキングにいざ出陣することになったのである。

05:50
まずは奥多摩駅改札脇のボックスに置いてある登山届に本日のめぼしい通過点、行先を記し、そのまま放り込む。
鳩ノ巣駅-大根ノ山ノ神-杉の殿尾根-コブタカ山-大ダワ-舟井戸-川苔山-横ヶ谷-火打石谷-百尋ノ滝-細倉橋-川乗橋」

06:05
鳩ノ巣まで戻り駐車場にバイクを停めると、いざ出発。
出だしの道順がよくわからんので、林道沿いをそのまま山に向かってゆっくりとあがっていく。
空は晴れているがこのところの暑さのせいかすっかり白んでしまっている。

06:10
地元の人に聞くと、途中で登山道に入る分岐があるらしいのだが、まずは林道を選択。
ほんとにたどり着けるのか、いささか不安なのだが、構わず行ってみることにする。

06:45
30分程歩いたところで休憩。やっぱり運動不足にはキツいのだ。

西川沿いの林道を歩くのだがけっこう長い。

07:05
西川橋のところ。
慣れない運動のせいか頭の血管がドクドクいってるのでまた休憩。
まだ着かないのかと時計を見るともう1時間近く歩いている。林道選んだのが失敗? 川沿いはワサビ田が多いが、釣りに入れそうなところはない感じ。

林道が東側へと向きを変えてからしばらく行くと、ほぼ平坦になる。この辺りまでくるとダート。

出立から1時間半近く。バテたので熊スプレーを撮ってみる。

08:02
ようやく大根ノ山ノ神へ。
普通の人は鳩ノ巣から大根ノ山ノ神まで40〜50分でいくらしい。
ちょうど登山道をあがってきた人と一緒になったので出発時刻を聞いてみると彼の出発は7時過ぎ頃だったらしい。
とすると、なんかワシ、通常の人の3倍の速さで遅れてる計算になるんすけど…
各所への所要時間も見積もりなおさんと、これはイカンですよ。

それはそうとして…
出会った彼(通称山の人)は今週で3週連続の鷹巣コースらしい。もともと登山はやってたそうだが、体力回復の為ここ何週間か通ってるとのこと。
最初はコブタカ山、2週目は本仁田山→奥多摩駅、そして今週は川苔山。
ワシもちょうど川苔山を狙っているのでいろいろ聞いてみたが、正直駅からここまで2時間もかかってしまうようだと、川苔はかなり厳しいとのこと。
本仁田山は展望が開けているのでそこを狙った後、奥多摩駅のほうへ下るか(かなり急な下りらしい)、そこも難しいようであれば、つらくなったタイミングでここまで戻って降りてくるのが賢明だ、とのこと。
別れ際には思い出したようにワシのほうを振り返り
「コブタカ山から舟井戸まではずっと尾根伝いに歩いてくださいねー。道に流されて尾根を外れてしまうといろいろとやっかいなことになりますからねー」
と声をかけてもらう。ありがとう山の人。通行止情報も含め、これは覚えておかねば。

08:40
いざ登山道へ。尾根上の杉林の中をひたすら西へ西へと上がり続ける…

しかしこれがキツイ!

すぐに息がきれてしまう。

休み休み登っていったところ、最初の分岐まで40分かかってしまった。
「コブタカ山1.4km 本仁田山2.4km 川苔山5.1km 鳩ノ巣駅2.4km」
このペースだと頂上到着は11時半頃か? なんとか正午までに着かんかなぁ。

昼までにたどり着くにはもう少し頑張らんといかん。
駅からここまでずっと、ちょっと歩いては10分休憩、てのが続き過ぎたので、己の怠惰な山行に対して自ら鞭打つため、ヘタレ歩きの中にも一つルールを設けることにする。

ー300歩進むまで腰をおろさん−

とりあえずこのルールに従って3回転程進んでみた。

当初はいけるかと思ったが…
途中で気づいてしまった。ワシのこのペースを乱す悪の元凶…あの独特の色合いのスズメ バチノスケに!

なにしろ1回絡まれると10歩くらい進む間、体やら頭の周りをブンブンされる。
かといっていたずらに払いのけるワケにもいかんし。
ひーッと首をすくめて急いでその場から離れて先へ進むしかない(後頭部に回られた時のあのおぞましさたるや…)のだが、坂を無理に急かして登るとまた呼吸も乱れてしまい…
逃げ切ったところでへたり込むという悪循環。

ちょうど昨日、吉田毛鉤会の吉田代表もメンバーとの沢釣行中にスズメバチに追い回され怪我を負ったらしい。
なんでもスズメバチジェット(ミニ) というスプレーがあるらしく、メンバーたむさんの援護射撃で助かったとのこと。
これは早めに買っておかんといかんね。

10:20
しかし人いねーなぁ、おい。道間違ってね?
不安になったので命綱のスマホGPSでルートを確認。正しく進んでいるようではあるけれど…
携帯の電波もまだ入るようだ。休憩がてらネットを見てたら20分近く経ってしまった。

さぼり中。ふぃ〜疲れたわぃ。

今回のザック。沢靴のかわりに三脚と交換レンズ持参。重い…

10:40
出発。山旅ロガーを見る限りあともう少しでなだらかな丘に出るはず。

11:15
ふらふらになりながらようやく到着。いざ頂上! かと思いきや…

うぅ。頂上はまだあんなに先に!
コ!コロスッ! ゼッテーコロスヨ、モゥ!
もうほとんど余力がございません。

12:06
最後の急坂登坂。下から上がってきた人に途中で追い抜かれた。

12:15
ふぅふぅ。遂に登頂! いやはや疲れ切ったずら。
最後の急坂で追い抜いていった人も頂上で休憩中だったのでここまでの所要時間を聞いてみた。鷹巣駅からここまでなんと100分。
やっぱりワシはエンジン性能が悪すぎですなぁ。
まさか6時間もかかるとは…
川苔はさすがに諦めるとして、では反対側の本仁田山のほうは行けるんだろうか。尾根伝いの道はだいぶ気持ちよさそうだが…

と空を見上げるとなんだか急に怪しげな雰囲気に。どこなんだろうか雷の音が鳴り響いている。西の空がとりわけ絶望的な暗さである。

コ、コレハ…死ヌ、キット死ネル…
さっきコロスッと叫んだばかりに、山の神さまの怒りをかったのか?

とにかくここは早めに退散したほうがいいということになりその場は解散。頂上で一緒になった男性は本仁田山のほうへとピークをスタコラ降りて行った。
ワシは登ってきた道以外は全く知らんので、元来た道を戻ることに。実は1500mlあった飲み水がほとんど残っとらんし、体力の余力もなくなってきてる。ここで知らん道を下ってもし間違いがあったらより一層めんどいことになるので、念のため安全策をとることにした。
まずはここを下りよう。どこか低くて屋根のあるところへ…

ポツポツと雨粒も落ちてくる。頂上から東方向へと延びる登ってきた急坂を慌てて下りはじめる。
と下から大学生だろうか、5人組の男女混合グループがヒーコラいいながら上がってくる。
こんな時合いに真っ暗な西空に向かってよくまぁ登る気になるなぁ。…タイミングといい、まるで「岳」に出てくるインド隊のようだ。
特に5人の中で1番後方を進む女の子の疲労度が極端に高そう。いったい大丈夫なのか?
頂上まで後10分程だと知らせると、皆ホッとしたのか表情が緩やかになった。まぁ男子3人いるからなんとかなるだろうが…

彼らと別れると、頂上手前にあったエセピークの大きな丘もすっ飛ばし登山道を急ぎひたすら下っていく。
雨宿りの出来そうなところは…
登ってきた時に登山道が尾根を少し外れる部分があったのを思い出したので、そこまで降りると今度は雨具に着替える。本降りになる前になんとかせんといかん。
ずぶ濡れになってからではテンパるに違いないので、これ以上の移動は諦め、その場で腰をおろすと念のため前回の沢釣行で代表にもらったタープがわりの緑色の敷物も上からかぶる。
丁度いい大きさでまるで掛け布団のようだ。気持ちいいのでそのまま横になる。これならまぁ大丈夫じゃね?
雨も雷もひどくなりつつあるが、一過性のものだろうし、雷の直撃以外ならなんとかやり過ごせそうだ。
そんなふうに考え始めたらホッとしたのか、しばらくするうちウトウトと寝に入ってしまった。

13:30
人の気配を感じたので上方をみやると先ほどの5人組が下ってくるところ。
疲れてるなぁ…
雨が直撃だったのかだいぶ疲労困憊の様子だったが、林の中ワシがのんびり寝転がっているのをみるや安心したのか皆笑顔になった。
ワシも疲れが取れたので、彼らの後を追うようにして山を下る。

13:55
コブタカ山まで1.4km地点まで下ってきた。西の空も明るくなってきたし、もう20〜30分も経ったら天気も回復するんじゃなかろうか。

14:20
大根ノ山ノ神。天気もすっかり回復しようやく青空が。
鳩ノ巣まで登山道でいくか、林道でいくか迷ったが、ひたすら安全策で林道を選択。
遠回りでかなりかったるい。駅まで1時間はかかるだろうに違いない。
でも安全ですけん。何事もこれには代えがたい。
のどが渇いてしかたないのはもう少しだけ辛抱しよう。
暑いのは服脱げばなんとかなるだろう。
次回は水を多めに持たないとなぁ。
その分カメラ部分を減らさないと。結局三脚と交換レンズも一度も使わんかったし。

だいたいね、楽したがりには向いてないんですよ。重いザックは。まずそこを考え直そう。

それにしても…
「誰かここまで車で迎えに来ねぇのかな…」
最後までヘタレ根性丸出しのまま、ぶつくさ呟きながら山を下った。