〜牛首〜五竜岳
というわけで流星を撮るために夜中に起き出していろいろやってみるのだが、風で揺れてしまったり、タイミングが合わなかったりして悪戦苦闘。3時半過ぎにはテン場の他のテントでもヘッドライトの明かりがポツポツと灯り、しまいにはその灯群が尾根上の山荘へ向かってぞろぞろと動き出すようになり、スローシャッターではこれをかわすのが困難に。横着してテント前で撮影をしようなどと思わず、もっと早く起き、人のいない撮影ポイントへ移動しなくてはいけなかった。だいぶ後悔。
ひとまず山荘まで登りトイレ。さらに再びテントに戻り朝ごはんを食べているとあっという間に夜が明ける。天気は晴れ。霧、夜露なし。驚いたことに足の痛みもなく気配絶好。
午前6時。テントの片付も完了しそれではいざ出発!というところで会社からトラブル発生の電話連絡。タイミングがいいのか、悪いのか…
結局、解決、確認完了まで1時間程かかってしまったが、影響なしということで登山は継続。
難所牛首の入口に至るとそこでは準備体操を繰り返す人たち。秋山郷さんからは「熟練ぽい人の後をなぞって歩け」と頂いたので、それとなく周囲の人に聞いてみるとなんと皆さん初めてとのことで…(涙
「牛首はホント怖いらしいよ」と話をしているうち、皆でどうぞどうぞと先を譲りあうかたちになってしまい、結局並んでいた位置的な理由からかワシは3番目で出発したが、すぐに先を譲られ先頭に(大粒涙
都合のいいことに先が渋滞していたので、すぐにその後ろまで進んで先の様子をそっと覗く。
昨日、唐松山荘や唐松岳からみていても肝心なところが隠れてしまって実際よくわからなかったのだが、ずっと疑問に思っていた。みんなあそこで立ち尽くして何をみているのだろう、あの峰の裏側にいったい何があるのだろうと。
で、見てみてナットク。確かにこりゃ見てるだけで怖い。
(ここで待たされるのはイヤダナ)
ワシは以前、初の奥多摩釣行の時に慣れない高さに腰くだけになりかかったことがある。今回も足が震えてしまうようなことになったら、迷うことなく退散しようと、そんなこんなをいろいろ考えてるうち、いよいよ順番がやってきたので、覚悟して鎖に取りついてみる。
…なんか大丈夫みたい。なぜなんだろう。鎖を握ってる安心感か、あるいは吉田毛鉤の先輩方について奥多摩を歩かされるうちに目が高度慣れしてしまったんだろか。
存外大丈夫だったので脚元にだけ注意してガシガシと岩山を下っていく。
その後も危ない場所が2、3あったが無事乗り切る(鎖なしのところはやっぱりコワイデス)。
ホッとして剣岳を。
それにしてもここは逆方向の五竜山荘からだとずっと登りでホントしんどそう。崖上の途中で休んでたりしたらしまいにメンタルもテンパリそうだしねぇ。
やってくる人から聞いた話だと、昨日五竜山荘のテン場に熊が出たそうな。宿泊者も多すぎてはみ出した人はみな素泊まりだったらしい。
こりはワシも先を急がないと大変なコトになりそですな…
振り返ると牛首と唐松岳、祖母谷温泉への山道。ここも相当にしんどいそうですが…
前方の五竜岳もいよいよ近づいてくる。
尾根の富山県側に続く登山道をトラバースしながら上がっていくと…
午前11時前。丘を越えたところで眼下に五竜山荘捉える。テン場もまだ余裕あり。これは山行を2泊3日にしたワシの作戦勝ちじゃろ。
気持ちに余裕ができたので、テントを張った後、山荘のきのこうどん、みそ汁で昼食。
午後1時過ぎ。昨日は軽装で唐松岳に登って後悔したので、今日は雨具とヘッドライト、水をザックに詰め込んで出発。
最初の1時間は長いザレ場をひたすら登り体力が奪われる。
最後はホントよじ登る感じ。ルートがしっかりしてるので安心感はありますが。
登りきった頂上近くで八峰キレットへの分岐。
ザックを背負って出てきてたワシは、キレット超え目的の縦走登山者と間違われたのか、山頂から五竜山荘へと下ってくる人たちとすれ違うたび「こんな時間にどちらへ」と心配される。実際縦走するような人たちは20kg近くある荷物を背負ってさっきの岩場を超えてくるのだから、もはや人でない。怪物ですね。
しかし下方から一気にガスに吹き包まれる。この岩場でルートの目印が見えなくなるのは恐ろしすぎるので、ゆっくりせずすぐに下りました。