唐松岳に登ってみるのだ!(後編)

夜。昼間の暑さとはうってかわり、次第に体が底冷えするようになる。
標高2600mをなめていたようで、寝巻き代わりの雨具だけではどうやら足りんらしい。軽量化を図り過ぎた結果、寝袋もマットも、フリースすら持参しなかったので、これはもうひたすら耐えるしかない。
頭痛のほうもひどくビールの祝杯も回避。痛みによる生あくびが止まないのでもう早く眠ってしまいたいのだが、寒すぎて全く眠れず。
深夜に湯を沸かすのもなんだか気が引けるので、誰かはよう起きてくれ、と祈りながら震えていたところ、午前2時半過ぎ、ようやく隣のテントのほうでストーブに火をつける音が。
ワシもつられて急いで湯を沸かし、アルファ米2袋に注ぐ。蓋をした後、試しに雨具のポケットに入れてみたところ、温かく実にいい塩梅。寝返りをうったら周囲がぐちゃぐちゃになってしまいそうなので、そこだけ注意せんといかんが、いずれにしろこれでどうにか凌ぎきったようだ。
体が温まってきたところで、食い気に負け2袋分たいらげたところで外に出る。
カメラ片手に山荘への10分の登り道。テントのないところで夜景撮影を開始する。今夜は半月なのだが、それでもまだ月明かりがだいぶ強すぎるようで、なかなかうまくいかない。
いろいろいじっているうちに、空がうっすらと明るくなってきてしまったので、山荘でトイレを済ませ、自販機で水ボトルを買った後、そのまま唐松岳登頂に向かう。ヘッデンの電池、カメラのリモートシャッター電池、ともに切れていたのが誤算。

登頂途中で山荘方面を。

20分程で遂に頂上へ。天候も上々。ええ。万歳したい気分であります。

午前5時。日の出。
24mm以外のレンズをテントに残してきてしまったのがイタイ! 小さすぎやろ、これは!

白馬岳方面。

五竜岳方面。
黒部の中の様子は霞んでいてよく見えませんが、剣岳は捉えました。来週の黒部組の釣行記が今から楽しみでしかたありません。

24mmで日の出を撮るなら、こういう感じに前景をいれたほうがいいのかも。

いや素晴らしかった! もう思い残すことはないと思えるほど!
頂上から唐松山荘へ戻ることにする。

陽が照り始め白馬岳方面の全貌がわかるようになる。
秋山郷さんに教えられた通り、ワシがここを越えていくのは無理だと悟りました。

降り始めます。

テントに戻って剣岳を。

このために持ってきた300mmで。しかし空気ワル!

帰り支度を済ませ、午前7時過ぎに出立。
知らぬ道を下るほど恐ろしい(もう登り戻る体力なし)ことはないので、教え通り、昨日のルートで降ります。
遠足の中学生組にもなんとかついて行きたかったのですが、すぐ引き離されてしまいました。

色合いがビミョーすぎ! 雪のある季節に再トライしてみようと感じました。

途中白馬岳方面。

午前9時半、八方池で大休憩。

だいぶ粘ってはみたものの天候回復せず。この季節は午前8時くらいまでに来ないとダメかもしれんですね。

最後の木道地獄。これが何気に堪えました。ふくらはぎ痛ハンパなし!
ゆっくり銭湯にでも浸かることにします。湯の中で寝落ちしなけりゃいいですが…

吉田毛鉤会の皆様。事前準備から登山中に至るまでサポート頂き大変助かりました。本当にありがとうございました。