シャロムの森(LR分岐橋)

寒い。凍えそうです。
シャロムの森の受付でコーヒーをもらったワシ、なかなか外に出て行く気になれず…

海外によくあるゲストハウスのような作りのシャロムの受付には外国人が座っていることも多い。彼らはWWOOF経由でやってくるのだとか。
今日の受付はスウェーデン人。なんでも日本の紅葉が見たくて先日やってきたらしく、その前はベトナム、中国を回っていたそうだ。この間のアメリカ人もそうだったし、よくよく話を聞いてみるとここに辿り着くのは結局バックパッカー上がりの旅人が多い。
先日のサッカーの試合でポルトガルとのプレーオフに負けワールドカップに出られなくなったスウェーデン
国の連中は皆へこんでいるらしい。
「受付手前のバンガロー小屋で寝泊りしてるんだよ」と笑いながらコーヒー飲んでたが、あの様子だと今朝はひどく冷えこんでいたに違いない。

そんな話をしているうちに9時近くになったので車でLR分岐点に向かう。
オーナーの話では今日の入渓者はL方にルアーが一人。R方はワシのみ。
到着するなり分岐点の橋の上から下をそっと覗くとしっかり魚が浮いていたので、この様子なら今日は結構釣れるんではないかと内心ほくそ笑む。

この橋の下のポテンシャルは高い。いついっても10尾前後は潜んでるようだ。
コンクリートの隙間に魚が隠れられるくらいの穴があってそこに岩魚が1、2尾。鵜から身を守るためなんだろうか、橋の下の暗がりに山女魚が2、3尾。深みの底にも1、2尾。他経験の浅そうなマメヤマメが2、3尾。
唯一台風後の増水の時だけ魚がまったく見えなかったが、逆に考えるとここに2、3尾浮いてるようならその日の魚の活性は高いと思っていいんではないだろうか。

ただし橋の上から頭を出したり、橋の下流側から身を乗り出したりするとサーッとひかれてしまうので、一切の気配を殺して攻めなければならん。
仕掛けを準備したワシ、早速、水面から高さ4mほどある橋の上から毛鉤をゆっくり静かにおろしていく。
いきなり毛鉤を水面に着けてしまうと魚が驚いて散ってしまうので、水面ギリギリのところで止め、一度ふわふわさせる。
最初に寄ってくるのはマメヤマメ。毛鉤を右に左にゆっくり動かすとやつらはキッチリ着いてくる。

で、ここまできたところで。
かわらず毛鉤を空中に漂わせながら、魚たちをじらしてみる。
ほいほいほーい、てな感じで蚊が飛んでるようなイメージで、ただひたすらにじらしてみる。

じらすこと5分以上…

すると橋の下に隠れていたヤマメのうち何尾かが、マメヤマメにつられてゆっくり身を乗り出してくる(岩魚のほうにはなぜかあまり反応ないのが摩訶不思議なところ)。
このくらいになるとマメヤマメのほうは時々ジャンプしてくるので、それを左右に適当にかわしながら、毛鉤をターゲットヤマメの前方にもっていき、ここでようやく水面に着水させる。

カモーン… カモーン… プリーズッ!

水面がバシャッとした瞬間に合わせて…

毛鉤がなぜだか魚の腹に刺さって釣れてしまうのが、ワシの凄いところ(汗
9時15分。幸先よく1尾目を釣る(というかひっかける)。

と、R方の上流のほうから何かが唸ってる音が聞こえてくる。
最初はいよいよ熊ちゃんかと思ったが、どうも人間らしい。
「うぉーっ」とか「わぁーーーーー」とか、なんかに襲われちゃってる感じなんかして。

近づきたくねぇなぁ…
でも行くしかねぇんだろうなぁ…

どうしたもんかと橋の上で悩んでいると、上流から1台の軽自動車が降りてきて、橋の所でUターンしてまた上流へと戻っていった。

おかしいな。オーナーの話では今日R方はワシ1人のはずなんだが…

密猟者か、はたまた殺人か…
いずれにしてもこれは確かめんといかんと車に乗り後を追ったが、R3の入渓点まで林道を進んでもみつからんので、いったん諦める。

てことで10時10分R3から遡行開始。
入渓点の橋の下にいきなり魚影を確認したので、20mほど下流側から入ったが、毛鉤を放り込んだところで逃げられてしまう。くっ。

その後何尾か走られた後、いつぞや大きな岩魚を見た倒木のある深瀬では、山女魚が出るも空振り。岩魚溜まりのプールにも1尾いたが、みつかって隠れられてしまった。
プールの上の瀬では空振りの後、走られる(この辺りはいつも魚影濃し)。
巻きの必要な淵では魚影見当たらず。最後の開きの部分も反応なし。

R4に入り先ほどの軽自動車が林道に停まっているのを発見。しかも5台!
車の脇に「〇×猟友会」と書いてある。

ズコーン…

LとRに挟まった尾根のほうで猟銃を撃ってる音がするので、きっと猟の人たちだろう。
とりあえず密漁でなくてよかった。

そのままR5に入り12時。
ここにも3尾いたが、1尾目をばらし、残りは走られる。
林道の上に隠れて、ラインの上半分だけみてあたりをとったが、ドライフライだとわかりやすく存外いける感じがする。

R6、橋の手前。この時間帯だけ陽当たりがよいようで、岩魚が2尾。
毛鉤を見るなりゆっくりと上流へ消えていった。

この辺り見えてるだけで2、3尾ついてるのが、2,3か所。なかなか面白い。
R4後半(橋を渡った辺り)〜R5は正直しぶいと感じる。

オーナーの話では3連土管の所の3分岐それぞれに岩魚がいて、中でも右が本筋らしいが、へんに奥に入って猟銃で撃たれるのもイヤなので、今日はおとなしく林道沿いの左筋をあがる。

竿も渓愚スペシャルから小柄27にスイッチ。
毛鉤も黒蟻パラシュートで準備万端。

まずは1棚目、岩魚にみつかってアウト。
続いて2棚目、最初は見切られたが岩魚が逃げないのでそのまま何回か流しているうちにヒット。もすぐにばらす。
3棚目、ここは前回空ぶって岩魚をかけそこなったところ。この棚には2匹入ってたので…
とキャストすると毛鉤をひっかける。毛鉤を回収してるうちに魚にみつかりアウト。
4棚目、出ない。
5棚目、ここも出ず。
4、5棚目は雑に行き過ぎたかも。

この頃には既に陽が当たらなくなっていた。
魚出ず、さらに巻かなければいけなくなったので、ここで心が折れる。遡行終了。

13時40分。林道沿いにあるR6の目印まで下りてくる。

R3に置いてある車へと戻り、車で分岐点まで下る。
猟友会の方々も下りてきているようで駐車スペースがすごいことに。

橋の上で2尾目。

その後1時間粘るが、空振り2回。
寒さで手が悴んでしかたないので15時半で終了。

なんともちぐはぐな釣行で後悔ばかり。
R6に入るなら陽当たりのいい午前10時までに。入らないのであれば下からしっかり順に。
そう心に誓ったとくじろう。

懐深いR6の奥「元祖シャロム」をいつかじっくり攻略してみたい。

マイナス2で残り37。