シャロムの森(右手前)

さて1年前に始まったワシの釣り見習い。これまで1年やってきて、目標の100尾にはまだほど遠いまま、リミットの今年年末まで残り53尾。
今週からは禁漁期間に突入するし、これから冬が近づくにつれますます厳しい苦境にたたされるようになるに違いない。
いったいどうすんのさ、これから…

途方に暮れながらいろいろ調べていると、自然渓流でありながら完全予約制という管理釣場をみつけた。
いいではないか! 行ってみようではないか!

というわけで今週は自然渓流型釣場の「シャロムの森」へ出かけてみるのである。

太田桐生IC到着が6時40分。そこから足尾、日光方面を目指して北上。草木湖へ。
約束の8時にはまだちょっとあるので少し休憩。

この湖に注ぎ込んでいる黒坂石川沿いをしばらく上がっていくと、途中に黒坂石バンガローテント村のコテージ群が見えてくるのでそこを超える。

深い霧の中、おそるおそる奥へ進むと「シャロムの森」のポストがあり、舗装道路がなくなるまで突き進んだら右折し、ようやく到着。
ホームステイ中のアメリカ人留学生さんに案内され、地下1Fの受付に進みコーヒーを頂く。

まもなくオーナーさんも現れる。
釣り暦1年で沢の経験もまだ数えるほど、と伝えると、ではまず様子を見に行きましょうと、オーナーの軽トラックで一緒に釣り場へ。
ここの特徴はエリア毎に完全予約制になっているところで、午前中は予約者以外該当エリアに入れない(午後からはフリー)。
エリアの区分けはF/M1〜M3(中流域)/L1〜L6(左側上流域)/R1〜R6(右側上流域)。
ワシが前もっていれていた予約はR3-R4だったのだが、本日はLエリア以外は空いているらしく、テンカラならM3かR1辺りから釣り上がっていくと良い、とのことだったので開始点をR3からR1に急遽変更。
トラックで林道を往復しながらR1/R2辺りを中心に川沿いの様子を見せて頂く。

深い森。ガチ渓流だろ、これは!

沢のほうを指差し「ほら、魚はいるでしょ」とオーナー。
確かに魚影を探すのは難しくなく、川を覗き込むとそこかしこで魚がササーッと…

む? ササーッと? 林道のワシらが見えている?
「やつら2、300mは平気ですからね。それこそ木化け、石化けの世界。とにかくストーキングを心掛けてください」とアドバイスをもらう。

というわけで2分岐の開始点、L1/R1の入口(仮設トイレあり)まで戻り1枚。ここから本日の遡行スタートである。

早速、最初の橋の下に5、6尾の渓魚の群れを見つけたが、どれもやる気がない。
何回か毛鉤を流しているうちに、魚にみつかり走られてしまう。警戒度200%。

魚の数に目がくらんでしまい15分程待ってはリトライ、を何回か繰り返したがダメだった。
諦め悪く時間をロス。R1の入口で早くも10時半近くになってしまった。

慌てて分岐を右側へ。
浅瀬の水の中をバシャバシャと音をたてながら急ぎ遡上し始めると、魚に走りに走られる。
嗚呼! やつらの逃げ足の素早さは「はぐれメタル」並み。

遭遇しては逃げ出され、またポイントに近づいては走られ…
同じ土俵にあがらせてもらえない。

5、6回そんなこんなを繰り返したところでワシ腹をくくった。遡行スピードが遅くなるのはしかたないから、せめてなんとか作ってみよう。

−[イワナ]たちが あらわれた!−
−しかし [イワナ]たちは まだ こちらに きづいていない。−

みたいな状況を!

水音をたてないようにじわりじわりとゆっくりポイントに近づく。
頼む、走ってくれるなよ…
近づきつつも、視線の先にある水の流れのない瀬脇のたまり場から目を離せない。
魚影は見えない。が、近づいている途中、その場の醸し出す雰囲気から、とくじろう第6感で感じ取った。

…これなら出る…

毛鉤をポイントへキャストし、一呼吸置いたところで、岩魚が水面をはねた!

ーとくじろうのけばりが [イワナ]のきゅうしょをちょくげき!
ー[イワナ]をたおした!ー

はぐれメタルを倒した時のような圧倒的痛快感!

11時10分。出たのは岩魚と山女魚のハーフ?
よくわからんが、いやはやすごい目だな。視野角340度くらいありそうなんすけど…

白い毛鉤で釣れたところで黒カディスへ交換。
しばらく流したがよく見えないので、さらに茶剣羽根ゼンマイ胴へチェンジ。

一段上流に向けてキャストすると、流れる毛鉤を追ってイワナが反転。こちらへ向けて泳いでくる。
 さぁ喰え、喰らえっ…
合わせ負けしまいと竿を握る手が震え、毛鉤までぶるぶる動いてしまう。
 ダメダコリャ…
肩のところまでやってきたイワナは結局毛鉤を見切り、反転するとゆっくりと上流へ消えていく。

くそぅ!
落ち込みの肩の下に隠れていたワシが思わずヌクと立ち上がると、どこにいたのか、肩の脇からも魚が何尾か走り、いっしょになってたちまち上流のヘチ下へと隠れる。

本当ならここのヘチ際は下,中,上と3尾は取れるところなんだそうだが…

一瞬にして全てを失ってしまった自分の愚かさに落胆す。

一箇所、沢中に1mくらいの段差があってカメラ持ったままだとイヤな予感がしたので、一度林道に出てかわした。
結局R1の攻略が完了したのが11時半過ぎ。

R2に入りスピードをあげ、落ち込みの上を狙う作戦に徹する。
毛鉤を先日作った白カディスもどきに戻して攻めると、1尾ヒット!
しかし痛恨のバラシ…

13時半過ぎにR2を抜けR3に入る。
しばらく行くと増水で池のようになった直径2m程のたまり場にイワナを3尾発見。
たまり場の下の落ち込みに隠れながら近づくと、そのまま最上流部へ向けてキャスト。
でかコンビには見切られたが、最後の小さいのが迷った末に喰いついてきた。

ようやく2尾目!

落ち込みにきたところで江夏さん投入。
ヒットしたがまたまたバラシ。

15時近くになったのでR3の途中ではあるが終了にする。
結局釣り上げたのは2尾。2バラシ、走られたのは10回以上…
ポイントに近づくところをもう少し鍛えれば、釣果はまだあがりそうな予感。
(アマイカ!?)

マイナス2で残り51尾。

こんなペースでだいじょぶなのか!?